2型糖尿病に罹患している小児と青年におけるリラグリチド
【文献】
Liraglutide in Children and Adolescents with Type 2 Diabetes
N Engl J Med 2019; doi:10.1056/MEJMoa1903822
【background】
メトホルミンは若年性の2型糖尿病にとって一般的に承認されている治療の選択肢である。しかしながら、メトホルミン単剤の治療で血糖コントロールが早期低下が観察されてきた。リラグルチドをメトホルミンに併用することによって(インスリン併用有無にかかわらず)2型糖尿病の若年者において安全性と効果があるかどうかは分かっていなかった。
【PICO】
P 2型糖尿病を持つ10-17歳の子供
I メトホルミン+リラグリチド
C メトホルミン+プラセボ
O HbA1cのベースラインの変化、空腹時血糖の変化
inclusion criteria 85パーセンタイル以上のBMI、食事・運動療法のみならHbA1c7.0%-11.0%、メトホルミン治療されているならHbA1c 6.5-11.0%
【試験について】
デザイン:無作為化二重盲検試験
観察期間:26週間二重盲検、その後の26週間非盲検
症例数:135人(1回でも投与を受けた人は134人)
リラグリチド 66人、プラセボ 68人
【患者背景】
2群間に統計上の差はなかった。
【結果】
群 | HbA1c(26週) | HbA1c(52週) |
メトホルミン+リラグリチド | -0.64% | |
メトホルミン+プラセボ | 0.42% | |
推定治療差 | -1.06% | -1.30% |
P値 | P<0.001 |
副作用を訴えた患者の数は両群で差がなかった(リラグリチド 56人、プラセボ55人)
しかし、副作用または、消化管の副作用の全体の割合はリラグリチドの方が高かった。