日々の医大生

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B細胞性リンパ腫に対するCAR-Tのreview articleを読んでみた①

【文献】

Julio C. Chavez, Christina Bachmeier and Mohamed A. Kharfan-Dabaja. CAR T-cell therapy for B-cell lymphomas: clinical trial result of available products.

Ther Adv Hematol 2019:10;1-20

 

【導入】

CAR-T療法が癌治療における免疫療法の状況を変えた。この技術は、腫瘍細胞特異的抗原をターゲットにするために細胞障害性T細胞を利用することと関連している。非ホジキンリンパ腫特にDLBCLの難治例において他の治療法が存在しない中で腫瘍性B細胞のCD19をターゲットにすることで高い有効性が証明された。結果として、2つのCAR-T療法が難治性DLBCLに承認された。ここで、私たちはCAR-T療法を使うことによる機序や有効性、毒性について再検討してみようと思う。

 

【B細胞性リンパ腫の治療】

2019年非ホジキンリンパ腫は74200人ほど診断され、19970人はリンパ腫関連で死ぬと推定されている。非ホジキンリンパ腫は新規診断の癌の7番目に位置している。非ホジキンリンパ腫の内訳としては、DLBCLが32.5%、FLが17.1%、MCLが3-5%である。

 

Diffuse large B-cell lymphoma

アメリカで1年間で25000人以上がDLBCLと新規に診断されており、10万人対6.9人である。CD20をターゲットにしたリツキシマブを加えたR-CHOP療法により目覚ましいCR、EFS、OSの改善をもたらした。あいにくR-CHOP治療後のおよそ30-40%は再発または病状が進展してしまう。DLBCLにおけるMYC遺伝子変異やMYC遺伝子やBCL2.6変異を持つhigh-grade B細胞リンパ腫、ABC DLBCLなどはR-CHOP療法への反応が悪く、悪い転機をもたらす。

高用量治療後のauto-HCTは再発性のDLBCLの患者の標準治療と考えられている。ランダム化比較試験で標準的な化学療法または化学免疫療法と比較してauto-HCTはより良い生存期間を示している。にも関わらず、このケースの40-50%は化学療法に難治であるせいでauto-HCTを受ける資格が得られないだろうし、他の50%はauto-HCTを受けるが、病気の再発のリスクがある。あいにく、サルベージ療法は進行してる、または1st lineの治療後のSD、診断から12ヶ月いないの再発例などの難治性/再発状態への有効性には限度がある。具体的には、ORR 26%、OS 6.3ヶ月と示されている。allo-HCT後の5年生存率は18-37%である。このallo-HCTの有効性の限界は高いNRMによる。