例えば肺炎球菌性肺炎
こんばんはー初ブログになります。
日々のことや病気について書いていければなぁと適当なことを考えています
早速思考実験。
①もし患者が肺炎できたら?
市中肺炎としてまず肺炎球菌などを疑って、グラム染色、尿中抗原提出、喀痰培養
市中肺炎の起因菌として
肺炎球菌、インフルエンザ桿菌、モラキセラカタラーリス、マイコプラズマとかある
これらは、グラム染色で全て鑑別できる
肺炎球菌:GPCの莢膜持つ双球菌
インフル桿菌:GNR
モラキセラ:GNC
マイコプラズマは染色されないが、長引く咳嗽、発熱、白血球正常
②治療は?
ペニシリン系かな、セフトリアキソンもセファゾリンとかも効くはず
※ガイドライン上では外来ではベータラクタマーゼ配合のペニシリンを使うらしい
ペニシリン系にアレルギーがあったら?
10%くらいでベータラクタム系(ペニシリン系、セフェム系、カルバペネム系)
と交差反応があるからこれらは使えない(使おうと思えば減感作療法すれば良いがそこまでリスクを冒す必要がない)
→マクロライド系を使いたいけど…日本では耐性が多い
ニューキノロン系(レボフロキサシン)を使う
陰嚢が腫れていたら
①陰嚢水腫
交通性・・・小児
非交通性・・・高齢者
→透光性をみる
②精巣腫瘍
無痛性腫大
石様硬、ごつごつ
準緊急→すぐに転移するから
③精巣上体炎
大人・・細菌、膿尿、発熱
子供・・ウイルス
④精巣炎・・ムンプスウイルス
⑤精巣捻転
6ー12時間がgolden time
カラードップラーで血流確認
まず、絶飲食を指導→麻酔時に嘔吐してしまうため
新生児、思春期に好発
→新生児はいつから捻転しているかわからないから手術しない
⑥外傷
B細胞性リンパ腫に対するCAR-Tのreview articleを読んでみた①
【文献】
Julio C. Chavez, Christina Bachmeier and Mohamed A. Kharfan-Dabaja. CAR T-cell therapy for B-cell lymphomas: clinical trial result of available products.
Ther Adv Hematol 2019:10;1-20
【導入】
CAR-T療法が癌治療における免疫療法の状況を変えた。この技術は、腫瘍細胞特異的抗原をターゲットにするために細胞障害性T細胞を利用することと関連している。非ホジキンリンパ腫特にDLBCLの難治例において他の治療法が存在しない中で腫瘍性B細胞のCD19をターゲットにすることで高い有効性が証明された。結果として、2つのCAR-T療法が難治性DLBCLに承認された。ここで、私たちはCAR-T療法を使うことによる機序や有効性、毒性について再検討してみようと思う。
【B細胞性リンパ腫の治療】
2019年非ホジキンリンパ腫は74200人ほど診断され、19970人はリンパ腫関連で死ぬと推定されている。非ホジキンリンパ腫は新規診断の癌の7番目に位置している。非ホジキンリンパ腫の内訳としては、DLBCLが32.5%、FLが17.1%、MCLが3-5%である。
Diffuse large B-cell lymphoma
アメリカで1年間で25000人以上がDLBCLと新規に診断されており、10万人対6.9人である。CD20をターゲットにしたリツキシマブを加えたR-CHOP療法により目覚ましいCR、EFS、OSの改善をもたらした。あいにくR-CHOP治療後のおよそ30-40%は再発または病状が進展してしまう。DLBCLにおけるMYC遺伝子変異やMYC遺伝子やBCL2.6変異を持つhigh-grade B細胞リンパ腫、ABC DLBCLなどはR-CHOP療法への反応が悪く、悪い転機をもたらす。
高用量治療後のauto-HCTは再発性のDLBCLの患者の標準治療と考えられている。ランダム化比較試験で標準的な化学療法または化学免疫療法と比較してauto-HCTはより良い生存期間を示している。にも関わらず、このケースの40-50%は化学療法に難治であるせいでauto-HCTを受ける資格が得られないだろうし、他の50%はauto-HCTを受けるが、病気の再発のリスクがある。あいにく、サルベージ療法は進行してる、または1st lineの治療後のSD、診断から12ヶ月いないの再発例などの難治性/再発状態への有効性には限度がある。具体的には、ORR 26%、OS 6.3ヶ月と示されている。allo-HCT後の5年生存率は18-37%である。このallo-HCTの有効性の限界は高いNRMによる。
クリニカルシナリオまとめ
【導入】
そもそも、心不全における分類はForrester分類とNohria分類、Clinical Scenarioとあるがどう使い分けているのか疑問
❶Forrester分類:右心カテーテルによる血行動態の指標を用いた心不全の重症度分類
❷Nohria分類:身体所見からdry/wet(うっ血の有無)、warm/cold(低還流)から心不全の重症度評価
❸Clinacal Scenario:循環器専門医以外の医師が救急外来で初期対応を行えるように作られた
【Clinical Scenario】
CS1:起座呼吸を呈する急性心不全(sBP>140mmHg)
・心不全は血行動態の破綻
→交感神経の過剰興奮
→ unstressed volumeからstressed volumeへ
→有効循環血漿量が増加
→肺うっ血
治療:酸素投与(NIPPV)、血管拡張薬
CS2:体液過剰を伴う急性心不全(sBP 100〜140mmHg)
・体循環 and/or 肺循環がうっ血
治療:酸素投与(NIPPV)、血管拡張薬
+慢性的に体液貯留がある場合は利尿薬
CS3:低心拍出を伴う急性心不全(sBP<100mgHg)
・急性心不全において、血管拡張薬や利尿薬で改善がなければ考える
→血圧判断のみでは不十分
・Nohria分類のcoldの所見がある(尿量減少、四肢冷感、低Na血症、意識障害、
高Bil血症)
治療:過度に体液貯留がなければ輸液負荷
→強心薬
→血管収縮薬
CS4:急性冠症候群
CS5:右心不全
DLBCLにおけるMYCとBCL2のdouble expressionが中枢神経再発にどれだけ寄与しているか
【文献】
Impact of dual expression of MYC and BCL2 by immunohistochemistry on the risk of CNS relapse in DLBCL
【PECO】
P:DLBCLの患者
E:double expressionを持つ人
C:double expressionを持たない人
O:中枢神経への再発
【method】
2000年から2012年に新規にDLBCLと診断された患者427人の患者をdouble expressionとnon-double expressionに分け、中枢神経再発率を比較したコホート研究です
【result】
2年後の中枢神経の再発リスクはdouble expressionが9.9%でnon-double expressionが2.3%であるのに対して高かった。(この数値はdouble-hit lymphomaを除いている)
また、activated B-cellやnon geminal center B-cellで分けた場合のdouble expressionとnon-double expressionの比較では15.3%vs 2.2%と15.8%vs3.1%であった。CNS-IPIで分けた場合のdouble expressionとnon-double expressionの比較では、high risk群では22.7% vs 2.3%でintermediate risk群では11%vs 2.3%であった。low risk群では二つに有意差はなかった。
double expression とnon-double expressionの比較
|
CNS-IPI high risk |
CNS-IPI intermediate risk |
ABC subtype |
non-GCB |
all(double |
double expression |
22.7% |
11% |
15.3% |
15.8% |
9.7% |
non-double expression |
2.3% |
3.2% |
2.2% |
3.1% |
2.2% |
高山病について
【概念】
高度の高い環境では大気圧が低く、酸素分圧低下による低酸素状態で起こる種々の病態
【症状】主に中枢神経・肺に症状を起こす
・急性高山病:標高2000m程度の高さから発症し、高度を上げてから6-10h以内で症状出現。二日酔いのような症状
・高地肺水腫:2500m以上の高さまで急に登った場合、24-96h後に発症。死因で最多
→PaO2の低下により、肺保護のため肺細動脈平滑筋を収縮し、虚脱肺のシャントを防ぐ、しかし、広範にこれをせざるを得ない状態
→肺高血圧→肺水腫(末梢静脈の収縮による循環血漿量の増加も原因)
→PaCO2減少による睡眠中の呼吸抑制
・高地脳浮腫
低酸素状態を代償できない→低酸素血症+相対的高CO2血症→脳血管拡張→脳浮腫
・高地網膜症:眼底出血
・慢性高山病
→長期の低酸素血症→赤血球増加→末梢循環障害→強い低酸素症状
【治療】
・高度を上げる速度を下げる
・酸素・下山
・アセタゾラミド
→近位尿細管で炭酸脱水素酵素を阻害しHCO3排泄増加
→代謝性アシドーシス
→代償として呼吸数が増加する
→睡眠中の呼吸状態が改善する
2型糖尿病に罹患している小児と青年におけるリラグリチド
【文献】
Liraglutide in Children and Adolescents with Type 2 Diabetes
N Engl J Med 2019; doi:10.1056/MEJMoa1903822
【background】
メトホルミンは若年性の2型糖尿病にとって一般的に承認されている治療の選択肢である。しかしながら、メトホルミン単剤の治療で血糖コントロールが早期低下が観察されてきた。リラグルチドをメトホルミンに併用することによって(インスリン併用有無にかかわらず)2型糖尿病の若年者において安全性と効果があるかどうかは分かっていなかった。
【PICO】
P 2型糖尿病を持つ10-17歳の子供
I メトホルミン+リラグリチド
C メトホルミン+プラセボ
O HbA1cのベースラインの変化、空腹時血糖の変化
inclusion criteria 85パーセンタイル以上のBMI、食事・運動療法のみならHbA1c7.0%-11.0%、メトホルミン治療されているならHbA1c 6.5-11.0%
【試験について】
デザイン:無作為化二重盲検試験
観察期間:26週間二重盲検、その後の26週間非盲検
症例数:135人(1回でも投与を受けた人は134人)
リラグリチド 66人、プラセボ 68人
【患者背景】
2群間に統計上の差はなかった。
【結果】
群 | HbA1c(26週) | HbA1c(52週) |
メトホルミン+リラグリチド | -0.64% | |
メトホルミン+プラセボ | 0.42% | |
推定治療差 | -1.06% | -1.30% |
P値 | P<0.001 |
副作用を訴えた患者の数は両群で差がなかった(リラグリチド 56人、プラセボ55人)
しかし、副作用または、消化管の副作用の全体の割合はリラグリチドの方が高かった。