日々の医大生

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高山病について

【概念】

高度の高い環境では大気圧が低く、酸素分圧低下による低酸素状態で起こる種々の病態

 

【症状】主に中枢神経・肺に症状を起こす

・急性高山病:標高2000m程度の高さから発症し、高度を上げてから6-10h以内で症状出現。二日酔いのような症状

 

・高地肺水腫:2500m以上の高さまで急に登った場合、24-96h後に発症。死因で最多

  →PaO2の低下により、肺保護のため肺細動脈平滑筋を収縮し、虚脱肺のシャントを防ぐ、しかし、広範にこれをせざるを得ない状態

  →肺高血圧→肺水腫(末梢静脈の収縮による循環血漿量の増加も原因)

  →PaCO2減少による睡眠中の呼吸抑制

 

・高地脳浮腫

  低酸素状態を代償できない→低酸素血症+相対的高CO2血症→脳血管拡張→脳浮腫

 

・高地網膜症:眼底出血

 

・慢性高山病

  →長期の低酸素血症→赤血球増加→末梢循環障害→強い低酸素症状

 

【治療】

・高度を上げる速度を下げる

・酸素・下山

・アセタゾラミド

  →近位尿細管で炭酸脱水素酵素を阻害しHCO3排泄増加

  →代謝性アシドーシス

  →代償として呼吸数が増加する

  →睡眠中の呼吸状態が改善する